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服に興味のなかった私がコムデギャルソンを着るに至るまで 4 [連載]

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服に興味のなかった私がコムデギャルソンを着るに至るまで 4
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本来、物には価値はない。
価値とは人間の幻想である。
価値とは常に流動するものであり、
値段が高いことは判断基準の一つであり本来の価値とは直結しない。

一つ言えることは、
高いものには一種特別な世界が存在することである。





わたしが服の持つ魅力を何より感じた一番のきっかけは、
原宿に連れ出してくれた友人に伴って、とある服屋さんに訪れたときである。
原宿独特の入り組んだ小道にひっそりと佇むお店だった。
自分一人だったらおそらく一生たどり着くことはないだろう場所にある。
小さな階段をのぼり、隠れ家みたいな店内に入る。
この時点で謎のおしゃれ度を感じる。

友人はなれた様子で親しげに店員と会話を始めた。
まるで気の知れた友人みたいに。

こんな感じなんだと関心しながら、
ふらっと店内を見回してみる。

ユニクロをオークションで買っていた自分には異空間でしかない。
デザインも見慣れなさすぎてかっこいいのかそうでないのか判別がつかない。
まるで不思議の国に迷い込んだアリス状態。
女性物を多く取り扱っているらしく店内には柔らかい雰囲気がある。


いいんじゃないかなと思って手にとった羽織ものの値段を見てみると、
頭に?が浮かぶような値段がさらっと書いてある。
かけてあるハンガーもぎりぎりハンガーと呼べるようなデザイン。
既成概念の崩壊である。





友人の存在はもちろん大きいとは思うが、
不思議と居心地は悪くなかった。いやむしろ良かった。
今までに感じたことのない空気感に浸っていた。
鮮麗な店内、モデルさんみたいにきれいな店員。
なるほどおしゃれな人たちはこういう場所で服を買っているのか。
どうりで空気感が違う訳だ。

せっかくだからと試着させてもらった自分の姿を見たとき、
まんざらでもない雰囲気を放つ自分がそこにいた。

似合っているのかいないのか、
いやおそらく似合ってなどいなかっただろう。
だがそんなことは関係なかった。
パッと扉が一枚開き、
服の持つ魅力を知る人の気持ちに触れた気がした。
その服を着た先の感情を肌で感じた。



あぁ、そういうことだったのか。

その差とは気になるけど踏み出せなかったものに、 一歩踏み込んでみたか否かの差でしかなかったのだ。

偏見をもっている世界があるなら、その世界にこそ触れてみるべきなのだ。
今では偏見のタガを壊し続けることに人生の醍醐味は隠れているのではないかと思っている。

人は一生かかっても世界のすべてを知ることはできない。
だからこそ進んで新しい世界を感じ触れてみることの意味がある。
わたしは少しずつ新しい扉、
ファッションの潮流を上り始める。5へ続く
 



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さきしなのてるりん

娘は衣料デザインの会社に3年勤めてやめましたが、
人の着るものには興味がない、自分の着るものはフリマで買ったもの。
何でそんな会社に入ったんだろうと思うような不適性さ。案の定、そこをやめて福祉の施設で働くようになってから、本来の自分を取り戻したように働いていました。「ファッションデザインの分野で働きたいというのは勘違いで、実際の自分はそれを手段にして福祉的な仕事をしたかったとあとで言ってました。全然話がそれてますが、人は自分に似合うものを見つけるのが案外難しいのかもしれません。
by さきしなのてるりん (2014-09-30 11:27) 

ぼんぼちぼちぼち

コムデギャルソン コートを一着持ってやす。
おっしゃってること よく理解できやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2014-09-30 15:47) 

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